CKDとは

近年、慢性腎臓病CKD:Chronic Kidney Disease)という疾患概念が提唱され、大きな注目を浴びています。

CKDはあらゆる腎障害、または血清クレアチニン値(SCr)から計算した推定GFRが60mL/min/1.73m2 未満である状態が3ヶ月以上続く状態を指し、末期腎不全や心血管疾患の危険因子であるとするエビデンスが多数提出されたことに加え、病態解明の研究成果にもとづく治療法が進歩を重ねてきたことも、注目の大きな背景となっています。

現在、透析治療に要する医療費は1兆円を超え、透析導入の最大原因である糖尿病性腎症が増加しているという、憂慮すべき現状にあります。
このような中、将来腎機能障害になる可能性の高い患者を早期に発見し、透析導入患者を減少させるためにも、CKD概念の普及とその対策は非常に重要な位置づけにあると言えます。

※CKDの定義
GFRで表される腎機能の低下があるか、もしくは腎臓の障害を示唆する所見が慢性的に持続するものすべてを包含しています。
(1)、(2)のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続している状態です。

(1) 腎臓の障害
病理、画像診断、検査(検尿/血液)などで腎障害の存在が明らか
-特に蛋白尿の存在が重要-
(2) GFR60未満
GFR(mL/min/1.73m2 ) =194Cr-1.094Age-0.287(×0.739 女性の場合)